前回、自動火災報知機を設置したことをご報告しました。 東北で初めての
無線式自動火災報知システムの導入ですし、経費も結構なものだったので、少し自慢話を。 赤く光っているのがP型1級発信機、押しボタンを押すとけたたましいベル音がします。
こちらが事務所にあるP型1級受信機。 これは、さきほどの店の2階にあるP型1級発信機と有線で繋がっています。 火災が発生すると、けたたましいベル音とともに、火災場所のランプが点灯します。 あまりにけたたましいベル音なので、かえって動転してしまいそうです。
さて、こちらがご自慢の無線式感知器です。 欅の天井に取り付けるなどはもってのほか。 ということで、惣輪師さん(漆器の木地職人)にも手伝ってもらって、什器に取り付けた自作の基台です。 もちろん、無線式ですので配線の必要はありません。
先ほどのP型1級発信機の上についている白くて丸いのが無線式中継器です。 これが、無線式煙感知器の信号を受信すると、事務所でけたたましいベル音がするわけです。 発信機のついている木枠も惣輪師さんに作ってもらいました。 壁板や床板を傷つけたくないので、空調機の基台に固定してあります。 漆を塗るかという話もあったのですが、消防署からはせかされているので、断念。
消防署との折衝で困ったのが、東京基準が地方都市にもそのまま適用されることでした。 そもそも東京の当局に「蔵」の概念がないのには困りました。 左の中2階の蔵と3階建の蔵は一体化しているように見えます。 しかし、実は、それぞれ独立した蔵をわざわざくっつけて建てられているのです。 一体化された建物でないことを理解してもらうのに、大変苦労しました。
3階建の蔵から七日町通り方向を見ています。 ご覧の通り、当家の西側は窓のない蔵が連なっているのです。
裏の紺屋町の通りから七日町通り方向です。 同様に西側に窓のない蔵が連なっています。 そうです、当家の西側は、防火壁の役割を果たすために、敢えて蔵と蔵を接して建てられているのです。 蔵に窓がないので、西側からの火事はここで防げるし、当家の火事は上に火がのびてもお隣の類焼は防げそうです。 これが、先人の知恵なのです。 地方には、密集した東京基準では計り知れないことが多々あります。 それでも東京基準を押し付けられてしまい、個性ある居酒屋さんが廃業していくのを眺めると、地方創世の世の中はまだまだ先のようです。
[A記]
店を再開しました。(自動火災報知機も設置しました)